«Ornette Coleman» - 伝記、アルバム、曲、ビデオクリップ

オーネット・コールマン(Ornette Coleman, 1930年3月19日 - 2015年6月11日)は、アメリカ合衆国テキサス州フォートワース生まれのジャズ・サックス奏者。アルトサックスの他、トランペットやヴァイオリンもこなす。フリージャズの先駆者である。

来歴

1930年に南部テキサス州で生まれた。学生時代は、R&Bやビバップを演奏していたという。ニューオーリンズやバトン・ルージュで演奏をした後、西海岸のロサンゼルスへ演奏旅行。最初テナー・サックスを始め、後にアルト・サックスに転向した。ロサンゼルスのコンテンポラリー・レコードと契約し、1958年、ドン・チェリーらを従えて初のリーダー・アルバム『サムシング・エルス!!!!』を発表。同レーベルではアルバム2枚の録音を残した。その後、オーネットの才能を高く評価していたジョン・ルイス(MJQ)の勧めでニューヨークに移り、1959年にアトランティック・レコードに移籍。そして、チャーリー・ヘイデンやドン・チェリーらと、『ジャズ来るべきもの』『フリー・ジャズ』といった実験的な前衛作品を発表。カントリー・ブルース・シンガーが、ジャズを演奏しているようだ、とも評された。

オーネットが生み出した新しい音楽は、一大センセーションを巻き起こした。ミュージシャンの間でも、前述のジョン・ルイスが在籍するモダン・ジャズ・カルテットのメンバー達から高く評価される一方、マイルス・デイヴィスやマックス・ローチからは批判された。しかし、オーネットの先進性は、フリー・ジャズという新たな流れを生み出していった。

1960年代前半にいったん活動を停止したあと、後半から再び活発に活動を展開。ヨーロッパでのツアーを収めたライヴアルバム『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』等は高い評価を得た。トランペットやヴァイオリンもマスターし、自身のリーダー・アルバムで成果を披露。また、ジャッキー・マクリーンのアルバム『ニュー・アンド・オールド・ゴスペル』(1967年)等にもトランペット奏者として参加している。

1970年代後半からは、エレクトリック・ジャズの領域にも手を染め、フリー・ファンクとも呼ばれるファンキーなアルバムを制作した。この頃に「ハーモロディクス理論」という独自の理論を考案する。当時のバンドのメンバーにはジェイムス・ブラッド・ウルマーや、ロナルド・シャノン・ジャクソンらがいた。また、70年代後半の「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」では、モロッコのジュジューカのミュージシャンたちとも共演している。

1991年公開の映画『裸のランチ』の音楽にも参加した。

2001年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。ジャズ・ミュージシャンでこの賞を受賞しているのは、オーネット以外ではオスカー・ピーターソンのみである。

2007年、ピューリッツァー賞、グラミー功労賞を受賞。

2015年6月11日、ニューヨークにて心停止により、死去。85歳没。

ディスコグラフィー

リーダー作

スタジオ

  • サムシング・エルス! - Something Else!!!!: The Music of Ornette Coleman(1958録音)(Contemporary) 1958年
  • 明日が問題だ - Tomorrow Is The Question!(1959年録音)(Contemporary) 1959年
  • ジャズ来るべきもの - The Shape Of Jazz To Come(1959年録音)(Atlantic) 1959年
  • 世紀の転換 - Change Of The Century(1959年録音)(Atlantic) 1960年
  • ジス・イズ・アワ・ミュージック - This Is Our Music(1960年録音)(Atlantic) 1961年
  • フリー・ジャズ - Free Jazz: A Collective Improvisation(1961年録音)(Atlantic) 1961年
  • オーネット! - Ornette!(1961年録音)(Atlantic) 1962年
  • オーネット・オン・テナー - Ornette On Tenor(1961年録音)(Atlantic) 1962年
  • ジ・エンプティ・フォックスホール - The Empty Foxhole(1966年録音)(Blue Note) 1966年
  • ニューヨーク・イズ・ナウ - New York Is Now!(1968年録音)(Blue Note) 1968年
  • ラヴ・コール - Love Call(1968年録音)(Blue Note) 1968年
  • サイエンス・フィクション - Science Fiction(1971年録音)(Columbia) 1972年
    のち Complete Science Fiction Sessions (Sony) 2000年
  • アメリカの空 - Skies Of America(1972年録音)(Columbia) 1972年
  • ダンシング・イン・ユア・ヘッド - Dancing In Your Head(1973年~録音)(Horizon) 1977年
  • ボディ・メタ - Body Meta(1976年録音)(Artists House) 1978年
  • チャーリー・ヘイデンと共演, ソープ・サッズ - Soapsuds, Soapsuds(1977年録音)(Artists House) 1977年
  • Of Human Feelings(1979年録音)(Antilles) 1982年
  • パット・メセニーと共演, ソングX - Song X(1985年録音)(Geffen) 1986年
  • カルテット(リユニオン)とプライムタイムの両名義, イン・オール・ランゲージズ - In All Languages (Caravan Of Dreams) 1987年
  • プライムタイム名義, ヴァージン・ビューティ - Virgin Beauty(1988年録音)(Portrait) 1988年
  • プライムタイム名義, トーン・ダイアリング - Tone Dialing(1995年録音)(Harmolodic/Verve) 1995年
  • サウンド・ミュージアム1 - Sound Museum: Hidden Man(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1996年
  • サウンド・ミュージアム スリー・ウィメン - Sound Museum: Three Women(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1996年

ライヴ

  • Coleman Classics Vol.1(1958年録音)(Improvising Artists) 1977年
    のち Complete Live At The Hillcrest (Gambit) 2007年
  • Town Hall, 1962(1962年録音)(ESP-Disk) 1965年
  • An Evening With Ornette Coleman(1965年録音)(Polydor) 1967年
    のち Croydon Concert (Free Factory) 2008年
  • The Paris Concerts 1965-1966(1965年~録音)(Gambit) 2007年
  • Live At The Tivoli(1965年録音)(Magnetic) 1992年
  • ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン - At The "Golden Circle" Vol. 1&2(1965年録音)(Blue Note) 1965年
  • Lonely Woman Trio '66 - Quartet '74(1966年、1974年録音)
  • The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds(1967年録音)(RCA)
  • The Unprecedented Music Of Ornette Coleman (1968年録音)(Joker) 1977年
  • Live In Milano 1968(1968年録音)(Jazz Up) 1989年
  • ラヴ・コール - Love Call(1968年録音)(Blue Note) 1968年
  • Ornette at 12(1968年録音)(Impulse!) 1968年
  • The Love Revolution/Complete 1968 Italian Tour(1968年録音)(Gambit) 2005年
  • Crisis(1969年録音)(Impulse!) 1972年
  • Broken Shadows(1969年録音)(Moon) 1990年
    のち Ornette Coleman Quratet Belgium 1969 (Gambit) 2008年
  • Friends and Neighbors: Live at Prince Street(1970年自宅録音)(Flying Dutchman) 1972年
  • European Concert(1971年録音)(Unique Jazz)
  • パリ・コンサート - Live In Paris 1971(1971年録音)(Trio) 1977年
  • The Belgrade Concert(1971年録音)(Jazz Door) 1995年
  • Broadcasts - Never On LP Before(1972年録音)(J For Jazz)
  • Opening The Caravan Of Dreams(1985年録音)(Caravan Of Dreams Productions) 1985年
  • The 1987 Hamburg Concert(1987年録音)(Domino) 2011年
  • Live at Jazzbuehne Berlin '88 (Repertoire)(1988年録音)
  • Reunion 1990(1990年録音)(Domino) 2010年
  • ヨアヒム・キューンと競演, Colors(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1997年
  • Sound Grammar(2005年録音)(Sound Grammar) 2006年

コンピレーション

  • The Art of the Improvisers(1959年~録音)(Atlantic) 1970年
  • The Best Of Ornette Coleman(1959年~録音)(Atlantic) 1970年
  • Twins(1959年~録音)(Atlantic) 1971年
  • To Whom Who Keeps A Record(1959年~録音)(Atlantic) 1975年
  • Beauty Is a Rare Thing(1959年~録音)(Atlantic) 1993年
  • The Best Of Ornette Coleman: The Blue Note Years(1965年~録音)(Blue Note) 1997年
  • Broken Shadows(1971年~録音)(Columbia) 1972年
  • Harlem's Manhattan (Giants Of Jazz) 1999年
  • Ornette Coleman (Ken Burns Jazz) 2000年
  • Introducing: Ornette Coleman (Warner) 2006年

サウンドトラック

  • チャパカ組曲 - Chappaqua Suite 1965年(コンラッド・ルークス監督作品『チャパクア』のサウンドトラックとして制作されたものの採用されなかったもの)
  • Who's Crazy Vol. 1 & 2 1965年
  • 裸のランチ - Naked Lunch 1991年(デヴィッド・クローネンバーグ監督作品『裸のランチ』のサウンドトラック)

現代音楽

  • The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds (RCA) 1967年
  • Prime Design/Time Design (Caravan of Dreams) 1983年

参加作品

  • Live At The Hillcrest Club (ポール・ブレイ,1958)
  • Jazz Abstraction (ジョン・ルイス / ガンサー・シュラー,1960)
  • New And Old Gospel (ジャッキー・マクリーン,1967)
  • Yoko Ono The Plastic Ono Band (オノ・ヨーコ,1967)
  • Louis Armstrong And His Friends (ルイ・アームストロング,1970)
  • Universal Consciousness (アリス・コルトレーン,1971)
  • Femmes et Famines (クロード・ヌガロ,1975)
  • Closeness (チャーリー・ヘイデン,1976)
  • The Golden Number (チャーリー・ヘイデン,1976)
  • Tales Of Captain Black (ジェームス・ブラッド・ウルマー,1978)
  • Renaissance Man (ジャマラディーン・タクマ,1983)
  • So Tranquilizin' (ジャマラディーン・タクマ,1984)
  • Maintain Control (ジェーン・コルテス,1986)
  • Time Peace (アル・マクダウェル,1989)
  • Ornette For Ever (ヨシコ・セファー,1996)
  • Eyes...In The Back Of Your Head (ジェリ・アレン,1996)
  • Affairs (ロルフ・キューン,1997)
  • Scar (ジョー・ヘンリー,2000)
  • Hearts & Diamonds (エディ・グラント,2002)
  • The Raven (ルー・リード,2003)
  • Cosmic Life (マリ・オオクボ,2004)
  • Intersections 1985-2005 (ブルース・ホーンズビー,2006)
  • For The Love Of Ornette (ジャマラディーン・タクマ,2010)
  • Road Shows Vol.2 (ソニー・ロリンズ,2011)

映像作品

  • Saturday Night Live: Milton Berle (1979)
  • Made In America (1987)
  • Playboy Jazz Festival Vol.2 (1988)
  • Reed Royalty (1999)
  • 「チャパクア」(コンラッド・ルークス監督,2003)
  • 「オーネット・コールマン・トリオ:デヴィッド、モフェット、オーネット」
    &「ローランド・カーク&ジョン・ケージ:サウンド??」(2006)

作曲

  • Liberation Music Orchestra(チャーリー・ヘイデン,1967)
  • Old and New Dreams(オールド・アンド・ニュー・ドリームス,1986)
  • Sounding the New Violin(マルコム・ゴールドステイン,1998)
  • Violin Fantasies(ジェニファー・コー,2004)

関連作品

書籍

  • オーネット・コールマン―ジャズを変えた男(ジョン・リトワイラー著、仙名紀訳)
  • ユリイカ1998年11月号
  • ジャズ批評No.98 オーネット・コールマン大全集
  • A discography of free jazz: Albert Ayler, Don Cherry, Ornette Coleman, Pharaoh Sanders, Archie Shepp, Cecil Taylor(Erik Raben)
  • Ornette Coleman, 1958-1979: A discography(David Anthony Wild)
  • Ornette Coleman: His Life and Music(Peter Niklas Wilson)
  • Ornette Coleman: A Harmolodic Life(John Litweiler)
  • Ornette Coleman (Jazz Masters Series)(Barry McRae)
  • Miles, Ornette, Cecil: How Miles Davis, Ornette Coleman, and Cecil Taylor Revolutionized the World of Jazz(Howard Mandel)
  • The Battle of the Five Spot: Ornette Coleman and the New York Jazz Field(David Lee)
  • The Jazz Life(Nat Hentoff)
  • Jazz Masters of the 50's(Joe Goldberg)
  • Free Jazz(Ekkehard Jost)
  • The FREEDOM Principle(John Litweiler)
  • The Lenox School Of Jazz(Jeremy Yudkin)

カヴァー / トリビュート

  • Spy Vs. Spy: The Music of Ornette Coleman(ジョン・ゾーン,1989)
  • White Man Sleeps(クロノス・カルテット,1990)
  • Plays The Music Of Ornette Coleman(ジェームス・ブラッド・ウルマー,1996)
  • The Other Portrait(ケン・ペプロフスキー,1996)
  • Affinity Plays Ornette Coleman's Little Symphony and Eight Other Modern Jazz Classics(アフィニティ,1997)
  • Last Corner(ノエル・アクショテ,1997)
  • Notes On Ornette(ポール・ブレイ,1998)
  • Ornette Coleman Anthology(高瀬アキ,2007)

主な共演者

1960年代前半

ドン・チェリー(cor)、ビリー・ヒギンス(ds)、ポール・ブレイ(p)、レッド・ミッチェル(b)、パーシー・ヒース(b)、シェリー・マン(ds)、エド・ブラックウェル(ds)、チャーリー・ヘイデン(b)、エリック・ドルフィー(bcl)、スコット・ラファロ(b)、フレディ・ハバード(tp)、ジミー・ギャリソン(b)

1960年代後半

チャールス・モフェット(ds)、デヴィッド・アイゼンソン(b)、ファラオ・サンダース(ts)、デナード・コールマン(ds)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1970年代前半

デューイ・レッドマン(ts)、ボビー・ブラッドフォード(tp)、ジム・ホール(g)、シダー・ウォルトン(p)

1970年代後半

ジェームス・ブラッド・ウルマー(g)、ジャマラディーン・タクマ(b)、バーン・ニックス(g)、チャールス・エラービー(g)、ロナルド・シャノン・ジャクソン(ds)、グラント・カルヴィン・ウェストン(ds)

1980年代

アル・マクダウェル(b)、クリス・ウォーカー(b)、パット・メセニー(g)、ジャック・ディジョネット(ds)、ジェリー・ガルシア(g)

1990年代

バール・フィリップス(b)、ケン・ウェッセル(g)、クリス・ローゼンバーグ(g)、バダル・ロイ(tabla)、ブラッドリー・ジョーンズ(b)、ジェリ・アレン(p)、チャーネット・モフェット(b)

2000年代

グレッグ・コーエン(b)、トニー・ファランガ(b)

脚注

外部リンク

  • - Myspace
  • - Last.fm
  • - オールミュージック