«Paul Bley» - 伝記、アルバム、曲、ビデオクリップ

ポール・ブレイPaul Bley、1932年11月10日 - 2016年1月3日)は、カナダのピアニスト。1960年代のフリー・ジャズ・ムーブメントに貢献したことで知られる。トリオでの演奏の革新性と影響力の大きさでも有名である。

経歴

カナダ、モントリオールに生まれる。ブレイの両親は、ルーマニアからのユダヤ人移民であった母ベティ・マーコヴィッチと、刺繍工場を所有していた父ジョー・ブレイである。 ブレイは長期にわたりアメリカ合衆国に居住していた。彼の音楽はメロディが流れていくように聞こえる「和声付け」と「余白」の両方を強く感じさせる、特徴的なものである。

1950年代に、モントリオールでジャズの研究会を主宰するようになり、そこで、チャーリー・パーカーと一緒に演奏したり録音したりしている。当時、他の共演者の中に、レスター・ヤングとベン・ウェブスターがいた。

1953年、彼はチャールズ・ミンガスの「チャールズ・ミンガスと彼のオーケストラ」というアルバムで指揮をとり、同じ1953年に、ミンガスが、アート・ブレイキーと共同で「イントロデューシング・ポール・ブレイ」をプロデュースしている。1960年にはブレイは、チャールズ・ミンガス・グループと共演し録音を残している。

1958年、ブレイは、ドン・チェリー、オーネット・コールマン、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンズらを従えて、カリフォルニア州のヒルクレスト・クラブに出演している。

1960年代初頭、ブレイはジミー・ジュフリー・スリーのメンバーであった。このバンドはクラリネット、ピアノ、ベースのトリオ編成で、クラリネットをジミー・ジュフリーが、ベースをスティーブ・スワローが担当していた。このトリオの音楽は静かで控えめな表現をするものだったため、時にその革新性が見逃されることがあった。ブレイの前妻であるカーラ・ブレイの作曲した曲もレパートリーにはしていたが、このトリオの音楽は、メンバー相互の強い共感に基づいた上でのフリーな即興演奏を志向することになった。

同じ頃、ブレイはソニー・ロリンズとツアーに出て、録音もこなしていた。ソニー・ロリンズとの活動は、RCAヴィクターのアルバムでコールマン・ホーキンスが共演した「ソニー・ミーツ・ホーク」で頂点に達していた。

1964年には、ブレイは、「ジャズ作曲家組合」の結成に際して鍵となる人物となっていた。この組合は、ニュー・ヨークの多くのフリー・ジャズのミュージシャンの共演を援助する働きをする組織であった。ミュージシャンの中には、ロズウェル・ラッド、セシル・テイラー、アーチー・シェップ、ブレイの前の妻であるカーラ・ブレイ、マイケル・マントラー、サン・ラといった人達がいた。組合は週ごとのコンサートの予定を計画・編成し、1964年の「『ジャズ革命』のための会議」を創設した。

ブレイは、長い間、普通には得られない音を使って自分の音の引き出しを広げたいと考えてきたので(例えば、直接ピアノの弦を触って演奏するなど)、1960年代末頃から出てきた新しい電子楽器にブレイが興味を持ったのは当然のことだった。ブレイは、モーグ・シンセサイザーを使用した演奏の草分けとなり、実際にこのシンセサイザーを使用して観客の前で初めてライヴ演奏を行ったミュージシャンとなったのである。1969年12月26日、ニューヨーク市のエイヴリー・フィッシャー・ホールでのことである。

こうした結果が「ブレイ・ピーコック・シンセサイザー・ショウ」につながることになる。このグループでは、ブレイはソングライターのアーネット・ピーコックと一緒に活動し、即興演奏を行い、長篇2曲をフランスで発売することになる。その中の演奏では、電気ピアノとシンセサイザーでメロディを演奏して、アーネット・ピーコックが、すばらしいがしかしあたかも調性の実験をするかのような歌い方で、マエストロのリング・モジュレイターの音の中を歌うのを手助けしている。この演奏にはオランダのフリー・ジャズ・ドラマーであるハン・ベニックがパーカッションで参加している。

その後、ブレイはピアノの演奏に立ち戻っている。

1970年代には、ブレイは、ヴィデオ・カメラマンのキャロル・ゴスと組んで、重要なマルチ・メディア事業であるインプロヴァイジング・アーティスツを立ち上げる。その内容とは、LPレコードやビデオ作品を発売するというもので、サン・ラや、その他のフリー・ジャズの作品が発表された。作品が発表されたミュージシャンは、ジミー・ジュフリー、リー・コニッツ、ゲイリー・ピーコック、レスター・ボウイ、ジョン・ギルモア、ジャコ・パストリアス、パット・メセニー、スティーヴ・レイシー、などである。

ブレイとゴスは『ビルボード・マガジン』の特集記事の中で、「ジャズ・ミュージシャンとヴィデオ・アーティストがスタジオ録音やライヴ演奏で共同作業をした結果、最初の音楽ヴィデオを完成させた」と記されている。

ブレイは、1981年のドキュメンタリー・フィルム『イマジン・ザ・サウンド』で取り上げられ、彼は自分の音楽を演奏し、また自分の音楽の変遷について語っている。

1990年代に入ると、ブレイは、ニュー・イングランド・コンサーヴァトリー・オヴ・ミュージックに加わる。 しかし、今はもうそこでは教えてはいない。 藤井郷子やイツハク・イエディッドといったミュージシャン達がブレイと一緒にNECMで学んでいる。

ブレイは、引き続き世界中をツアーして回っており、また、録音も大量に行っている。これまでに発表したCDはすでに100枚以上となっている。1999年には、彼の自叙伝である「ストッピング・タイム:ポール・ブレイとジャズの変容」が出版された。2003年には「時間は語る:ポール・ブレイとの会話」が出版された。2004年には、「ポール・ブレイ:偶然の論理」がイタリア語で出版された。2008年にはカナダ勲章の「メンバー」を受賞した。

ディスコグラフィ

リーダー作

America
  • 1971: The Fabulous Paul Bley Quintet (Live recording from Hillcrest Club, Los Angeles, 1958)
  • 1972: Improvisie
ECM
  • 1970: Paul Bley with Gary Peacock
  • 1971: Ballads
  • 1972: Open, to Love
  • 1986: Fragments
  • 1987: The Paul Bley Quartet
  • 1991: In the Evenings Out There
  • 1994: Time Will Tell (with en:Evan Parker and en:Barre Phillips)
  • 1999: en:Not Two, Not One (with Gary Peacock and en:Paul Motian)
  • 2000: Sankt Gerold (with en:Evan Parker and en:Barre Phillips)
  • 2007: Solo in Mondsee
  • 2014: Play Blue -Oslo Concert
Freedom
  • 1970: Dual Unity (with en:Annette Peacock, en:Han Bennink, en:Mario Pavone, Laurence Cook)
  • 1975: Copenhagen and Haarlem (Live recordings 1965 and 1966)
en:Improvising Artists (自主レーベル)
  • 1974: Jaco
  • 1975: Quiet Song (with en:Jimmy Giuffre and en:Bill Connors)
  • 1975: Alone, Again
  • 1975: Turning Point (with John Gilmore, en:Gary Peacock, en:Paul Motian), orig. Savoy mono recordings, March 9, 1964
  • 1976: Virtuosi
  • 1977: Japan Suite
  • 1977: Coleman Classics Vol. 1 (Four more tracks of the Hillcrest Club recording from 1958)
  • 1977: Axis
  • 1978: IAI Festival (with Giuffre / Konitz / Conners / Bley)
en:Justin Time Records
  • 1987: Solo
  • 1991: A Musing (with en:Jon Ballantyne)
  • 1993: Sweet Time
  • 1993: Double Time
  • 1993: Know Time
  • 1994: Outside In (with en:Sonny Greenwich)
  • 1996: Touche (with en:Kenny Wheeler)
  • 2001: Basics
  • 2004: Nothing to Declare
  • 2008: About Time
en:Postcards Records
  • 1994: Synth Thesis
  • 1994: What If (with en:Bruce Ditmas as leader, John Abercrombie, en:Sam Rivers, Dominic Richards)
  • 1996: Music for the Millennium (with Ralph Simon as leader, en:Gary Peacock, en:Julian Priester)
en:Soul Note
  • 1983: Tango Palace
  • 1983: Sonor
  • 1985: Hot (with en:John Scofield)
  • 1987: Notes (with en:Paul Motian)
  • 1988: Live at Sweet Basil (with John Abercrombie)
  • 1990: Memoirs (with en:Charlie Haden and en:Paul Motian)
  • 1992: Mindset (with en:Gary Peacock)
  • 1994: Chaos (with Furio DiCastro and en:Tony Oxley)
en:SteepleChase Records
  • 1973: en:Paul Bley/NHØP (with en:Niels-Henning Ørsted Pedersen)
  • 1985: Questions
  • 1985: My Standard
  • 1986: Diane (with en:Chet Baker)
  • 1986: Live & Live Again (with Jesper Lundgaard)
  • 1987: Indian Summer (with en:Ron McClure and en:Barry Altschul)
  • 1988: Solo Piano
  • 1989: The Nearness of You (with en:Ron McClure and en:Billy Hart)
  • 1989: Rejoicing (with Michal Urbaniak, en:Ron McClure and en:Barry Altschul)
  • 1989: Bebopbebopbebopbebop (with en:Bob Cranshaw and en:Keith Copeland)
  • 1991: Plays Carla Bley (with Marc Johnson and Jeff Williams)
  • 1992: Caravan Suite
  • 1992: At Copenhagen Jazz House
  • 1993: If We May (with Jay Anderson and en:Adam Nussbaum)
  • 1994: Speachless (with en:Rich Perry, Jay Anderson and en:Victor Lewis)
  • 1996: Reality Check (with Jay Anderson and en:Victor Lewis)
  • 1998: Notes on Ornette (with Jay Anderson and en:Jeff Hirshfield)
Other labels
  • 1953: en:Introducing Paul Bley (Debut)
  • 1954: Paul Bley (EmArcy)
  • 1962: en:Floater Syndrome (Savoy Records | Vogue)with Steve Swallow and Pete LaRoca
  • 1963: Footloose!, Savoy
  • 1964: Turns, Savoy, reissued 1988 (in part identical with Turning Point on Improvising Artists)
  • 1964: Barrage (with en:Marshall Allen, Dewey Johnson, en:Eddie Gomez, en:Milford Graves), ESP
  • 1965: Closer (with en:Barry Altschul, en:Steve Swallow), ESP
  • 1965: Touching, Fontana
  • 1965: Blood, Fontana
  • 1966: In Harlem - Blood, Polydor
  • 1966: Ramblin, BYG
  • 1968: Mr. Joy, Limelight
  • 1973: Scorpio (with en:David Holland, en:Barry Altschul), Milestone
  • 1983: Tears, Owl
  • 1990: Partners (with en:Gary Peacock), Owl
  • 1990: Paul Bley 12(+6) In a Row (with en:Franz Koglman and Hans Koch)
  • 1992: Annette (with en:Franz Koglmann, en:Gary Peacock), hatART
  • 1993: Homage to Carla, Owl

ゲスト参加

With en:Don Ellis

  • Out of Nowhere (Candid, 1961 [1988])
  • Essence (Pacific Jazz, 1962)

With en:Jimmy Giuffre and en:Steve Swallow

  • 1961: The Jimmy Giuffre 3 - Fusion, Verve
  • 1961: The Jimmy Giuffre 3 - Thesis, Verve (Remixed rerelease by ECM together with Fusion, 1992)
  • 1961: Jimmy Giuffre Trio Live in Europe 1961, Raretone, 1984
  • 1961: Emphasis, Stuttgart 1961, hatART, 1993
  • 1961: Flight, Bremen 1961, hatART, 1993
  • 1962: Free Fall, Columbia
  • 1989: The Life of a Trio (2 volumes), Owl
  • 1992: Fly Away Little Bird, Owl
  • 1993: Conversations with a Goose, Soul Note, 1996

With en:Sonny Rollins

  • 1963: en:Sonny Meets Hawk!, RCA Victor
  • 1963: en:Tokyo 1963, Rare Live Recordings

With en:Marion Brown

  • 1974: en:Sweet Earth Flying, Impulse!

With en:Charlie Haden

  • 1989: en:The Montreal Tapes: with Paul Bley and Paul Motian, Verve

With en:Lee Konitz

  • 1997: Out Of Nowhere, SteepleChase

With en:John Surman

  • 1991: Adventure Playground, ECM

With Andreas Willers

  • 2001: In the North, Between the Lines

外部リンク

  • [chriscomerradio.com/paul_bley/paul_bley4-11-00.htm Paul Bley Radio Interview 2000]